大七テーマパーク

決定版!生もと造り大全


生もとの快楽

 さあ、生もとの至福にご案内しましょう。
生もとには、近代製法の酒とは、質的に違った豊饒な世界があります。その違いは精米歩合による違いなどより、ずっと大きいと私達は思っています。何がそんなに違うのか?
−−−−−−−−−−−−−−それは味わいの深さです。


熟成を愛でる
クロノス(時を司る神)は、酒にとって恩寵なのか、はたまた禍なのか。

 時は、お酒にひとしく恵みを授けるわけではありません。ひ弱な酒にとってはわざわいそのものでもあり得ます。時は、酒を淘汰の篩いにかけるのです。


 時と共に成長する酒を造ること。これが大七の社是であり、全力を尽くして追求している目標です。



北国の四季の中で年を重ねる。

 積算温度(そのお酒が受ける基準以上の温度の総量)が少ない方がいいお酒があります。そういうお酒は瓶のまま、冷蔵貯蔵庫で貯蔵することが必要です。
 しかし、もっと温度に対して強い酒質の酒であるならば、一定温度の冷蔵庫でなく、冷涼ながらも自然な四季をもつ酒蔵で貯蔵した方が、よい年の取り方(エージング)をするのではなかろうか。よい熟成にとって酸化が絶対的な悪ではなく、微量の酸素がよい栄養源になるように、冷涼な北国の夏、高山にやっと小さな花が芽吹くような夏を経験することは、電気の力で一定の温度を保ち続けるよりもお酒によい年輪を加えるのではないだろうか。
 そんな思いで、新蔵にユニークな貯蔵倉庫を造りました。この貯酒庫では、年間平均水温14度の地下水が循環して、夏の暑気を防ぎます。冬は当然ながら、自然にもっと冷え込みます。こうして穏やかな四季をともなう貯酒庫が完成しました。純米酒や本醸造などは、ここでひと夏ないしふた夏を過ごします。

形が残らぬものだから。
 時の試練に打ち勝って、可能な限り長く、熟成の恵みを一身に受け止められるような、偉大な酒を造りたい。やがて賞味されるその時まで、時間の蓄積がその酒に一層の価値を与えるような。単なる費消されるものでなく、地球上に永遠の価値を占めるような。
 これは形の残らぬものを造ることを生涯の仕事とする醸造家の、ひそやかな野心でもあります。

 生もとの原酒がまろやかに熟成して一層風格が上がるのは、夏の暑さを越えて秋を迎える頃。新酒の時、口の中ではじけるように自己主張していた様々な味わいがひとつに丸くまとまって、軽やかにしかも味わい深く成熟します。夏を越せずに下り坂になる短命な酒に対して、秋から冬にかけて品質が向上していく酒を“秋晴れの酒”、“秋上がりの酒”と称します。


 硬水系の水で強く健全発酵した酒は、新酒の時に多少粗くとも次第に丸みを帯びて秋上がりする傾向があり、軟水系で仕込んだ淡麗酒は、新酒の時からなめらかで線が細く飲みやすいが夏を越すと秋落ちする傾向があると言われています。


 長い時間をかけて醸された生もとの酒は、時間とともにゆっくりと成長します。抗酸化性が高く、経年劣化は最も少ない酒といってもいいでしょう。弊社ではいつも最適に熟成した商品をお届けできるよう、熟成の進行具合の異なる原酒を庫内に多数貯蔵しています。


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