比較のために弊社の各種の白米サンプルを、従来の大吟醸米と比較しました。比較対象の大吟醸米は、他社製の山田錦の35%精米サンプルで、従来の基準でいえば良好な精米と評価しうるものです。
全サンプルについて、それぞれが実質的にどれだけ研削されたかを示す扁平精米歩合を、吟醸米サンプルについて、不要成分がどれだけ残っているか示す粗タンパク質残存率(*)を調べたのが第4表です。
(*)粗タンパク質残存率は、それぞれの玄米の粗タンパク質が、精米後どれだけ残存しているかを測定。
第4表 従来の大吟醸米との比較
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サ ン プ ル
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扁平精米歩合
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形 状
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粗タンパク質残存率
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他社製・35%・山田錦
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64.4% |
従来型 |
51.55% |
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他社製・34%・山田錦
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60.1% |
従来型 |
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他社製・33%・山田錦
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59.7% |
従来型 |
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大七製・65%・華吹雪
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50.3% |
超扁平 |
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大七製・58%・五百万石
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36.8% |
超扁平 |
44.07% |
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大七製・51%・山田錦
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34.0% |
超扁平 |
44.32% |
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大七製・38%・山田錦
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46.5% |
やや扁平
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48.31% |
このように、弊社の精米歩合65%、58%、51%、38%の白米の扁平精米歩合は、いずれも従来型35%精米サンプルを大きく下回っており、不要成分の残存率でも、弊社の58%、51%の白米は従来型35%精米サンプルを大きく下回っています。
以上の結果からも、弊社の超扁平精米が極めて効果的であることがわかります。
〈できたお酒の品質〉
実際にお酒を仕込んで醸造試験を行ったところ、アミノ酸の少ないきれいな清酒ができあがり、扁平精米によって原料米を無駄にしないで、すっきりした吟醸タイプの清酒を造ることが可能となりました。
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アミノ酸度は扁平精米のほうが普通精米よりも明らかに少ないことから、扁平精米では効率的にタンパク質が除去され、それができたお酒にも反映していることがわかる。
このことは官能審査の結果にも明確にあらわれた。4段階評価平均で普通精米酒は2.45点、扁平精米酒は1.65点となった。さらに短評を記入してもらった結果、扁平精米酒については吟醸香あり、なめらか、まるい、比較的すっきりきれいで上品という評価であった。
また、わざと日光着色させた試料の官能検査を行ったところ、扁平精米酒では日光臭はほんのわずかで、普通精米酒のものと保存性に明らかに差があらわれた。
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第5表 試験醸造酒の分析結果
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普通精米
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扁平精米
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| イ |
ロ |
ハ |
ニ |
| アルコール度(%) |
18.1 |
18.5 |
17.7 |
18.1 |
| 日本酒度 |
+1 |
+1 |
+1 |
+1 |
| 酸度 |
2.0 |
1.8 |
2.0 |
1.8 |
| アミノ酸度 |
1.05 |
1.05 |
0.75 |
0.80 |
| 総窒素(%) |
0.064 |
0.065 |
0.056 |
0.053 |
| 紫外部吸収 |
7.472 |
7.438 |
6.589 |
6.440 |
| 65℃火入れ着色 |
0.076 |
0.073 |
0.066 |
0.068 |
| 官能検査 |
2.4 |
2.5 |
1.3 |
2.0 |
〈まとめ〉
これまで鑑評会用をはじめとする大吟醸酒の世界では、精米歩合を小さく削ることに重きが置かれて、その精米品質の評価については除芽・除溝、砕米等による無効精米歩合の低減が言われるのみで、形状の丸さは事実上容認されておりました。
しかしながら今回の研究の結果、不要成分の除去という目的のためには、形状の丸さを容認したまま精米歩合を低くしても不十分であり、精米歩合よりもむしろ、いわゆる「扁平精米歩合」の低減が密接に関係していることが明らかになりました。
従来よりも飛躍的に「扁平精米歩合」を低減させることのできる超扁平精米技術は、これまでのものを遙かに超える高品質清酒の製造に道を拓くものであり、また原料米の無益な損失を防いで従来より少ない精米で大きな成果をもたらす、省資源の点でも極めて優れた技術であると言えるでしょう。
【文献】
1) 齋藤富男, 手塚信也, 近藤 修, 岡田光司, 坂本恭輝, 久保克朗, 杉山隆一, 栗林直章, 加藤美好, 吉井 忠:醸協,
89,(6)489(1994)
2) 齋藤富男, 木下 実, 高安裕子, 諏訪為治, 窪田陽子:醸協, 88,(1)69(1993)
3) 大橋 勝, 諏訪為治:醸協, 76,(7)436(1981)
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